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原子力発電所の機密情報も託せるセキュリティ。
10年がかりといわれた電子化もわずか1年で完遂。

北海道電力株式会社

原子力事業統括部 部長(カイゼン担当) 須田様(写真:左) 泊発電所 運営課 DX・カイゼン推進担当 総括主任 水戸様(写真:右)
北海道の暮らしと産業を電力で支える北海道電力株式会社。その中でも、原子力発電所では安全運転を支える数十年分の膨大な量の技術文書や記録が紙として保管されていたことから、保管スペースが物理的な限界を迎えつつあり、新たな書庫を建設するか、電子化へ踏み切るかという経営上の大きな決断を迫られていました。
この状況を、抜本的に“効率化・高度化”したいという強い思いから、北海道電力では電子化の道を選択します。しかしその目的は、単なる書類のデータ化ではありませんでした。将来の業務効率化を見据え、検索や活用に耐えうる「品質」。そして、原子力発電所の機微な情報を扱う上で決して許されない「安全性」。この二つの最優先要件を高いレベルで両立させることが、パートナー選定における最大の課題でした。この難題をクリアするパートナーとして、うるるBPOが選ばれました。
企業概要

北海道電力 株式会社
設立:1951
事業内容:電気事業、ガス供給業、電気通信事業、エンジニアリングなど

クライアントの課題・要望

書庫逼迫の解消と業務効率化の実現の両立

解決ソリューション

過去保管文書全般のスキャニング、OCRによるサーチャブルPDF作成

うるるBPOにご依頼いただく前の、社内の状況についてお聞かせください。

水戸様:私たちの使命は、北海道の暮らしと産業を電力で支えることです。その安全・安定供給の根幹を支えるものとして、原子力発電所では、数十年前の運転開始以来、膨大な技術文書や記録を紙媒体で管理してきました。

もちろん、保管期間が過ぎたものは適切に廃棄するなど、管理の工夫は続けてきました。しかし、原子力発電所の記録には非常に長期間の保管が求められるものが多く、これまで何度も断捨離を試みても、結局は「どうしても捨てられない」という結論に至ります。結果として、書庫の紙文書は増え続ける一方でした。

そしていよいよ、物理的な保管スペースが枯渇し始めたため、この問題が現実のものとなり、日々の業務に影響が出かねない喫緊の課題となりました。現場は、まさに「どげんかせんといかん」と、頭を抱えているような状況でしたね。

そこで私たちは、大きな決断を迫られることになりました。一つは「書庫を新たに建設する」という選択。しかし試算してみると、土地の確保から始めなければならず、莫大な費用がかかることが分かりました。そしてもう一つの選択肢が「文書の電子化」でした。

コストを比較すれば、電子化のほうが安価であることは明白でした。ですが、電子化にはそれ以上に大きな魅力があったのです。単に保管スペースの問題を解決するだけでなく、眠っていた紙の記録を「将来的に活用できるデータ」に変えるという、大きな付加価値がありました。この点が、ただ保管場所が増えるだけの書庫の増設にはない魅力であり、私たちが電子化を選択する決め手となりました。

委託先を選定する上で、譲れない条件などはありましたか?

水戸様:はい、パートナー選定において譲れない条件は、「品質」と「安全」、この二つを高いレベルで両立させることでした。まず「安全」ですが、今回扱うのは原子力発電所の機微な情報を含む記録です。万が一にも情報の消失や漏洩があってはならない。これが絶対の前提でした。

そしてもう一方の「品質」とは、ただ電子化されていれば良い、というわけではなく、例えば、スキャンした画像が不鮮明で読めなかったり、ページの抜け漏れがあったり、といったことがないよう、高い精度で電子化してもらうこと。それに加えて、将来的に私たちが業務の中で検索してすぐに見つけ出せるなど、効率的に活用できるレベルの品質も必要でした。

須田様:さらに言うと、我々にとっての「安全」の定義は、一般的な情報セキュリティだけに留まりません。我々は原子力に携わる者として、常に火災や津波といったハザードのリスクも想定して動いています。

ですから、パートナーにも我々と同じレベルの危機意識を求めました。つまり、あらゆるハザード(災害)から、この重要な資産である紙の文書を守り抜けるか。これも譲れない条件の一つでしたね。

水戸様:そうですね。その非常に高い基準があったため、まずグループ会社を検討したのですが、私たちが試算したボリュームはかなり膨大でした。グループ会社には、これほどの大規模な処理を行った実績がなかったため、内部に固執せず、専門の外部パートナーを探すという決断をしたのです。

最終的に、うるるBPOを選んでいただいた決め手を教えてください。

水戸様: パートナー選定の大前提は、先ほどお話しした「品質と安全」の基準をクリアしていることでした。その上でコスト面の精査を始めたのですが、まず驚いたのが、うるるBPOさんの見積に対する姿勢でした。

初回の概算見積の段階から私たちの想定より安価だったのですが、それ以上に感心したのはその正確さです。まだ仕様が固まっていない状況でしたから、普通ならリスクを見越してバッファを乗せた金額が出てくるものだと思っていましたが、うるるBPOさんはいきなり正確な金額を提示してこられた。その透明性の高い姿勢に、まず惹かれましたね。

ただ、もちろんコストだけで決めたわけではありません。品質・安全面の評価も、うるるBPOさんが他社さんと比べて最も高かったのです。特に私たちが感銘を受けたのは、うるるBPOさんの「性悪説に立った対策」でした。

一般的な現場では、作業員が私物を持ち込む際は透明の袋に入れて目視でチェックする、といった対策が多いと思います。これは、ある意味で作業員の良心に委ねる「性善説」の対策ですよね。しかし、うるるBPOさんは今回のために金属探知ゲートを設置し、さらにAI検知機能付きの監視カメラまで導入してくださいました。

須田様: そうそう。その導入いただいた設備も、契約前に徳島のセンターを見学させてもらった際に、実際にどう検査が行われるのかを目の前で見せてくれました。

まだ契約もしていない段階で、我々のために設備を導入し、その実物を確認させてくれたという積極的な姿勢には、本当に感銘を受けました。「この会社は信頼できる」と確信した瞬間でしたね。

水戸様: そうですね。大前提である品質・安全の面で最高評価だった上に、コスト面でも非常に誠実なご提案をいただけましたし、信頼感も大きかったですね。
総合的に見て、うるるBPOさん以外の選択肢はありませんでした。

うるるBPOの提案内容や、実際の対応はいかがでしたか?

水戸様: 私たち自身、これほど大規模なプロジェクトを外部にお願いするのは初めての経験で、正直なところ手探りで事を進めていました。ですから、「ここまで考えてくれているのか」と専門家ならではの視点でご提案いただけた場面では、本当に安心できましたね。

 
例えば、今回は北海道から徳島への輸送でしたので、長距離かつ海上を挟みます。私たちは「輸送中の湿気で文書が傷まないだろうか」という漠然とした懸念を持っていました。ですが、その懸念をお伝えした時には、もうすでに対策が考えられていて、「梱包時に吸湿シートを使いましょう」と即座にご提案いただき、「ああ、経験豊富な専門家は、私たちが気づかない点までしっかり考えてくれているんだな」と、非常に心強く感じました。

須田様: そのリスク管理という点で、私も補足したいことがあります。はじめにお話したとおり、我々は原子力に携わる者として、常に火災や津波といったハザードも想定して動いています。その視点で徳島のセンターを拝見したのですが、火災対策がしっかりしていたり、水害を考慮した保管場所をご準備いただいたり、我々が求めるレベルのリスク対策がきちんと講じられているな、と感じました。
この危機意識の高さも、大きな評価ポイントでしたね。

水戸様: ええ。ただ消火設備があるだけでなく、万が一の際に原本を汚損させにくいCO2消火器を今回のために導入してくださったりしましたね。そういった細やかな配慮にも、専門性の高さを感じました。

加えて、契約後の柔軟な対応も本当に助かりましたね。私たちが机上で試算した文書量や原本の状態には、どうしても限界があります。実際に作業が始まってから、それによって仕様の変更をお願いする場面もあったのですが、うるるBPOさんは再契約や追加費用の話をするのではなく、まずは「今あるリソースのなかで工夫しよう」と、常に私たちに寄り添った視点で解決策を探してくださいました。その姿勢が、非常にありがたかったです。

うるるBPOのサービスを利用してみて、どのような導入効果がありましたか?

水戸様:まず、プロジェクトの最大の目的であった書庫の逼迫という課題が、根本的に解消されました。今、書庫に行くと、むしろ空きスペースのほうが目立つくらいです。これで今後十数年は安泰だろう、というほどのキャパシティを確保できました。

ただ、当初想定していた物量のすべてを電子化できたわけではありません。現場から「これは紙のまま残したい」という声が上がり、対象から外れた文書もありました。ですが、それを差し引いても、この効果は絶大です。

加えて、今回の電子化ではOCR処理もお願いし、すべての文書をサーチャブルPDFにしていただいたおかげで、今では必要な文書を探す際の検索業務が圧倒的に楽になりました。以前のように、わざわざ書庫に出向いて紙の束から探し出す、という非効率な作業はもう過去のものです。

そして、何より驚かされたのが、その圧倒的なスピード感です。 他社さんからは「10年、20年かかります」という提案もあった中で、うるるBPOさんは「準備期間を含めて1年で完遂できます」とご提案され、そして、実際にその通りやりきってくださった。このスピード感は、他社さんにはないものだと感じています。

今後のうるるBPOへの期待と、御社と同じような状況でお困りの企業様へのメッセージをお願いします。

水戸様: 今回のプロジェクトで、私たちは紙文書の電子化という大きな一歩を踏み出せましたが、これはあくまで手段であって、目的ではありません。これから重要になるのは、電子化した膨大なデータをいかにして利活用し、業務全体の効率化に繋げていくか、ということです。 昨今はAIの技術も急速に進展していますので、そういった最新技術も活用したデータ利活用の領域まで、今後うるるBPOさんにはサポートいただけると心強いですね。

それから、過去の私たちと同じように、大量の紙文書の管理に悩まれている企業様へのメッセージですが、まずは「全量を電子化する」と気負わずに、優先順位の高いものから少量でも試してみるのが良いと思います。そうして、まずは電子文書ならではの利便性を、社内で体験として広めていくことが大切です。

須田様: そうですね。紙をスキャンして電子化するだけでは、AI などが活用しにくいイメージ画像といった「非構造データ」のままです。さまざまな技術を組み合わせ、次のステップで「使えるデータ」へと変換していく必要があります。

日本全体で労働力が減少していく中、こうしたDXによる生産性向上は、あらゆる企業にとって避けては通れない道です。

水戸様: はい。紙の電子化は、そのDXのまさに一番最初の、しかし最も重要なベースになります。この一歩を踏み出さなければ、その先のAI活用なども絵に描いた餅になってしまう。将来のために、まずは足元の紙文書から整理を始めてみてはいかがでしょうか。

活用いただいたスキャンサービス

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帳票類や財務諸表など、商法や税法などで企業に保存が義務付けられている文書について、電子化された文書ファイルで保存することが認められています。
また、紙の文書をスキャナで読み取った画像データも一定の要件を満たせば原本として認められているため、ビジネスを進める上で必要とされる文書・帳票類の印字・流通・保存にかかるコストが大幅に削減されると期待されています。
うるるBPOの営業担当は文書情報管理士の資格を取得済みです。お気軽にお問い合わせください。
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「利用頻度が多い」「機密性が高い」といった社外に持ち出すことのできない文書を、お客様先に出張してその場でスキャンおよび納品するサービスです。機材の準備、マニュアル作成、人員の手配、作業ディレクション、進捗管理などすべてを当社で行います。
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