水戸様:私たちの使命は、北海道の暮らしと産業を電力で支えることです。その安全・安定供給の根幹を支えるものとして、原子力発電所では、数十年前の運転開始以来、膨大な技術文書や記録を紙媒体で管理してきました。
もちろん、保管期間が過ぎたものは適切に廃棄するなど、管理の工夫は続けてきました。しかし、原子力発電所の記録には非常に長期間の保管が求められるものが多く、これまで何度も断捨離を試みても、結局は「どうしても捨てられない」という結論に至ります。結果として、書庫の紙文書は増え続ける一方でした。
そしていよいよ、物理的な保管スペースが枯渇し始めたため、この問題が現実のものとなり、日々の業務に影響が出かねない喫緊の課題となりました。現場は、まさに「どげんかせんといかん」と、頭を抱えているような状況でしたね。
そこで私たちは、大きな決断を迫られることになりました。一つは「書庫を新たに建設する」という選択。しかし試算してみると、土地の確保から始めなければならず、莫大な費用がかかることが分かりました。そしてもう一つの選択肢が「文書の電子化」でした。
コストを比較すれば、電子化のほうが安価であることは明白でした。ですが、電子化にはそれ以上に大きな魅力があったのです。単に保管スペースの問題を解決するだけでなく、眠っていた紙の記録を「将来的に活用できるデータ」に変えるという、大きな付加価値がありました。この点が、ただ保管場所が増えるだけの書庫の増設にはない魅力であり、私たちが電子化を選択する決め手となりました。
0120-269-356